一応年末ということでもあるので、
振り返りの話をしたい。
よく一年を振り返るみたいなのがあるが、
具体的にどこに焦点を当てるかで、
今後の動きが変わってくる。
営業の場面での振り返りで多いのは、
やはり、失敗したシーンだろう。
あのときこうやっておけば良かったとか、
あの一言がマズかったなど。
過去の失敗を反省するというものだ。
もちろん、それはいいことである。
失敗が減っていけばそれだけ成功につながっていく。
ただし、失敗を失敗と認識できていればの話だが。
営業でよくありがちなのが、
自分では良かれと思ってやっていることが、
実際には、お客さまから嫌がられる行為だったというもの。
とっておきの情報をお持ちしました!
などと、相手のために良かれと思ってやっていても、
お客さまはそんなにうれしくない。
ある意味で、それも失敗なのだが、
当人は全く気付かないパターン。
逆に危険だ。
で、私が言いたいのはそこではない。
振り返るのは、成功シーンにしようということだ。
これまた営業でよくあることだが、
売れたときには振り返らない。
「売れた、ラッキー!」
これで終了である。
どうして売れたの?と聞いても、
「なんかたまたま行ったら、たまたま社長がいて・・・」
「タイミングが良かったんだと思うよ・・・」
こんな答えが返ってくる。
はっきり言って、たまたま社長がいたからといって、
誰でも売れるとは限らない。
いやむしろほとんどの人は売れないだろう。
だから、社長がいたのはたまたまかもしれないが、
そこで話ができているというのは、やはり営業力なのだ。
どうやって話ができるようになったのか?
それこそが、売れる秘訣だったりするのだが、
当人はあまり気づいていないことが多い。
それはとてももったいないことだ。
売れるポイントがわかればそれを再現しやすくなる。
売れている人というのは、
毎回マグレで売れているわけではない。
やはり売れるための行為をしているから結果が出るのだ。
私は売れずに悩んでいる人にこんな質問をよくする。
「過去に売れた経験はありますか?」
すると、たいていの人は「YES」と答える。
そこで、さらにこんな質問をする。
「そのときはどんな感じで売れましたか?」
ここでもよくある答えは、
「たまたま」的なものが多いのだが、
私はそこをしつこく掘り下げて聞く。
さらに言うと、売れたときのことを憶えていない人が多い。
売れたらそれでOKとしてしまい、
深くその理由を考えたりしていないのだ。
そうしてじっくりと聞いていくと、
「そういえば、以前に会ったときの話で盛り上がったっけ」
などと、売れたときの要因が出始める。
それをかき集めるのだ。
で、その売れたときはどんな気持ちだったかを聞くと、
たいていの人は、「あまり苦労もなく売れた」という感想が出る。
ごく自然に売れてしまったという感じだ。
じつは、この状態というのは、
無意識に正しい営業行動をしているので、
頑張った感がなくて自然体になっている。
そしてそれこそが、当人に最適の売り方なのだ。
だとしたら、それを意識的に再現できれば、
ラクに売れる状態が作れるのである。
過去に売れた体験を思い出し(振り返り)、
そのときなぜ売れたのかをきちんと分析し、
それを再現する方法を見つけること。
それが大事なのだ。
売れたらそれでおしまいではなく、
なぜ売れたのかを振り返ること。
ぜひ、今年一年の成功体験を振り返ってみよう。
きっと、来年からの方針が見えてくるはずだ。