サイレントセールスブログ

しゃべらない営業のススメ(2)

私は肩書をサイレントセールス・トレーナーと言っている。

すると、よく「サイレントセールスって何ですか?」と聞かれる。

それに対して私は、

・しゃべらない

・しゃべってもらう

・黙って見せる

この3つの基本行動のことだと答えている。

それぞれについて解説しよう。

・しゃべらない

これは営業マンはできるだけしゃべらないほうがいいというもの。

余計なことを言って売り逃すくらいなら、
むしろしゃべらないほうがいい。

何をしゃべらないほうがいいのか?

何ならしゃべってもいいのか?

その基準を持つことで売れるようになれる。

・しゃべってもらう

自分がしゃべるのではなく、お客さまにしゃべってもらう。

とくに営業の場合には、
相手にたくさんしゃべってもらったほうが有利になる。

情報を引き出せるだけでなく、
相手をリラックスさせてガードを下げる効果がある。

さらに、きちんと話を聞く姿勢は信頼感を生む。

いかに相手にしゃべってもらうかが、営業の腕の見せ所である。

・黙って見せる

営業の言葉というのは、
100%信用されないと思っておいたほうがいい。

それは、どんなに信頼関係を結んだ間がらでもだ。

そんなときは、言葉ではなくモノで見せるようにすること。

言葉で「すばらしい商品です」と力説するよりも、
どんなにすばらしいかを証明できる資料やデータを見せたほうが、
はるかに簡単で説得力がある。

トークを磨くよりも、わかりやすい資料を作ること。
それを黙って見せること。

営業マンのどんな言葉よりも効果的に伝えてくれる。

私のセミナーや本の内容というのは、
すべてこれらが軸になっている。

こうして結果的に営業マンのセリフを減らすことが、
売れる近道になるのだということを、
細かく掘り下げて行くのだ。

そして最終的には、
営業マンが言いたいことをお客さまがしゃべってくれる。
商品説明や、特徴なども全部言ってくれる。
それに対して営業マンは、
「よくご存じですね~」
と言うだけ。

これが私の理想としている姿である。

このしゃべらない営業(サイレントセールス)の利点は、
極端な話、誰でも売れる営業になれるということ。

とくにしゃべるのが苦手な人でも、
(しゃべらなくてもいいので苦手なことをしなくて済む)
結果が出やすい点にある。

そもそも私自身が、しゃべることが苦手なので、
それでも通用する方法はないかと模索していた時期があった。

なので、視点はいつも、しゃべりの苦手な人なのだ。

言葉というのは、
どんなにしゃべり方を磨いても、
通用しないことがある。

それは相手がいるからだ。

相手の受け方次第で、
うまい話も聞いてくれないことがあったり、
反対に、ヘタな話でも聞いてくれたりする。

ようするに、ヘタな話でも聞いてくれるように、
相手を変えればいいのだ。

まあ、変えるというと、
ちょっと上から目線的に聞こえるかもしれない。

言い換えると、警戒心を解くということだ。

営業マンに対して警戒している相手には、
どんなに言葉を尽くしても通用しない。

それは、話がうまかろうがヘタだろうが同じである。

ところが警戒心が解かれると、
不思議なくらいに聞いてくれるようになる。

それまた、話がうまかろうがヘタだろうがだ。

それが話ベタな人でも売れる理由である。

商品の良さがきちんと相手に伝われば、
自然に売れる。

それは事実だ。

ただ、勘違いしている人は、
商品の良さをきちんとしゃべれば売れると思っている。

しゃべったからって、
誰もが聞いてくれるわけではない。

むしろ、聞きたくないと思っている相手に対して話すのは、
反感を買ってしまう恐れもある。

意識すべきは、
自分のしゃべりよりも相手の気持ちである。

つづく