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しゃべらない営業のススメ(4)

相手にベクトルを向けるようになると、
営業にとって有利になることがたくさん出てくる。

まず、一方的にしゃべってしまうという弊害を避けられる。

自分にベクトルが向いていると、
どうしても自分の言葉やしぐさに視点が行く。

結果として、ひとりでずっとしゃべっている時間が増えてしまう。

経験している人も多いと思うが、
営業である自分がしゃべっていて、
途中で相手がそれを聞いてないと感じていても、
どうしても止められないことがある。

一方的にしゃべることの不自然さを感じつつ、
説明を途中で切ることができないのだ。

それで売れたためしはない。

次に、相手を観察できるという利点がある。

これは、前回のメルマガでもお話ししたが、
相手の言葉や動作などを観察することで、
会話がスムーズに盛り上がる。

その盛り上がり方も、
自分の話で盛り上げるのではなく、
相手(お客さま)の話が中心になるので、
相手にとって気持ちのいい会話になる。

とくにアイスブレイクなどの雑談をするときには有効だ。

まだ営業を警戒していたり、
心を開いていないお客さまに対して、
相手にしゃべらせる会話は絶対的な効果がある。

その話題を拾うためには、
相手を冷静に観察できる目が必要になる。

そうすることで、スムーズに仕事の話に移行できるのだ。

大事なキーワードを聞き逃さない。

お客さまはときどきとても重要なことを言ったりしている。

雑談をしながらとか、
ちょっとした会話の中にそれは入ってくる。

しかし、それを営業マンがきちんとすくい取れていない場面も多々ある。

たとえば、こんなことがないだろうか?

お客さまと会話をしながら、ふとボーっとしている瞬間。

相手の話を聞きながら、つい別のことを考えているとき。

目の前の人の話に意識が向いていないときというのは、
自分にベクトルが向いているときでもある。

話の最中に、

「このあとどんな質問をしようかな?」

「そういえば、例の件はどうなったんだっけ?」

「次の時間が迫っているから、早めに切り上げないと」

などと頭のなかで考えていると、
人の話が上の空になる。

するとどうなるか?

お客さまは気づいている。
目の前の営業マンが自分の話に集中していないことに。

「この営業マンは、うわべだけで話をする人なんだな」

そう思われて信頼度が下がってしまう。

そしてもうひとつ。

お客さまがとても重要なことを言ったことに気づかない。

「来年の3月までには決めたいなあ」

「ホントは、金額よりも機能を重視したいんだよね」

「また故障したらいやだなあ」

このような独り言に近いセリフというのは、
営業にとっては大きなヒントになるし、
ときには、クロージングの決め手となったりする。

それを聞き逃してしまうのは、大きなマイナスだ。

きちんと聞いていると、
その相手の言葉を使ったトークが生きてくる。

「先ほどおっしゃっていましたが・・・」

「〇〇ということでしたので・・・」

など、言葉に説得力を持たせられるのと同時に、
あなたの言うことをきちんと聞いていましたよという、
信頼度アップにもつながってくる。

上手なしゃべりなどよりも、
相手の言葉をきちんと聞く姿勢を見せたほうが、
営業としては有効なのだ。

そのためにも、相手の言葉に集中したい。

たとえ、仕事と関係ない雑談をしているときも、
その雑談に集中すること。

売れている営業マンを見ていると、
この集中度が違うのだ。

雑談でも全身で会話を楽しんでいるのがわかる。

それを見せられるとお客さまは、
警戒心を解いてリラックスしてくる。

売れている人がなぜ売れるのか?

それは、最初の雑談だけ見てもわかるのだ。

人はしゃべるほどにリラックスする。

そして、自分の話をきちんと聞いてくれる相手を信頼する。

その状態が理想の商談になるのである。

しゃべらない営業のポイントは、まだある。

それはどんな営業マンでも同じ効果を出せる点だ。

つづく