サイレントセールスブログ

アポ取り電話は第一声で決まる(5)

基本的に電話やネット、メールなどは、
売り込みには向いていない。

まあそもそも、売り込みに向いているとか、
もっと言うと売り込み自体を私は否定しているので、
とくに使うこともない。

どうして向いていないかというと、
ネットやメールというのは、こちらからの情報提供の場合がほとんどだ。

それを見た相手の判断をうながすのならいいのだが、
それだけで説得して買ってもらうまでとなると、
そう簡単にはいかない。

心理学、マーケティング、文章力などを緻密に駆使していかないと
うまくはいかないだろう。

それになりよりも時間がかかる。

サイトなどを作り込むのもそうだが、
仮説検証を繰り返して行う必要があるので、
時間と労力がかかるのだ。

その点、電話だけで売ることができたら、
楽にコストもかけずに、その場で売上が立つ。

電話営業をしたがるのは、そうした理由からだ。

また、メールで文章を送っても、
相手の反応がわからない。

共感しているのかそうでないのか?

もしそうでないとしたら、
また別の切り口でメールを出すとどうなるか?

とにかく相手の反応がわからなければ、
売り手としてもどう対応すべきかが見えてこない。

これはサイトにも言えることで、
相手がわかりやすく反応してくれるのならいいが、
たいていは無表情にスルーされる。

現状でいいのか、それとも手を加えるべきか迷う。

一方で、電話はどうかというと、
直接相手と会話ができるので、
反応がわかりやすい。

相手の反応に合わせてこちらも対応可能だ。

コールセンターなどのトークスクリプトでは、
相手の返事に応じたトークが用意されている。

こう言われたらこう返す。

すると、より相手の気持ちに即した対応ができるようになり、
成果につながりやすくなる。

電話だけでうまく行って、
その場で売れるのなら、
こんなに効率の良い話はない。

なによりも営業マンが出かけていく手間が省ける。

これは営業サイドだけの話ではない。

お客さま側としても、
もし自分に必要な商品をタイミングよく紹介されたら、
それはありがたい話になる。

電話をかけてくれてありがとうということも起こりうるのだ。

だから電話営業を全否定することはしない。

問題は、その電話で売り込みから始めてしまうことである。

最初から売り込み色満載の電話がかかってきたら、
お客さまの反応は手に取るようにわかる。

当然、結果も見える。

それはお互いにムダな行為だ。

もしも電話で営業をしたいと考えているのなら、
ここでもステップ営業(4ステップ)をしなければならない。

まず、相手に警戒されないようにする。

相手にニーズが存在するかを確認する。

ニーズがあるという同意のもとで、商品の説明をする。

相手が迷っていたら、そっとクロージングに移る。

電話をしながら、こちら側の職種を切り替える必要があるのだ。

最初から営業職で行ったら当然ながら話も聞いてくれない。

だから最初はリサーチ職で行なう必要がある。

とまあ言葉で言うのは簡単だが、
これはかなりの高等技術である。

でも、実際に電話だけで売っている人を見れば、
上記のような流れになっていることがわかるはずだ。

ぜひ、機会があれば売れている人を観察してみてほしい。

少なくとも、強引な売り込みなどは一切していないのも、
見えてくるだろう。

最後にもうひとつだけ。

どんな商品でも電話だけで売れるかというと、
それはない。

少なくともお客さま側に多少なりとも予備知識がない場合は、
難しいだろう。

相手が知らないことをゼロから説明するには、
トークのハードルが高すぎるからだ。

ある程度、商品や特性などを認知されている場合に限り、
電話だけで売ることが可能になると思っておけばよい。

もしくは、誰もが欲しがる画期的な商品!

つまりそれ以外の商品は、
電話で売ろうとすることを考えずに、
アポイントだけをとることに集中すべきである。

以上、近年では電話が苦手な人も増えているので、
それも加味しながら営業戦略を練ることをおススメしたい。