サイレントセールスブログ

学生に営業を教えたいが・・・

本当は、学生に営業を教えたいと思っている。

というのも、学生の営業に対するイメージがあまりにも悪いからだ。

・ノルマがきつい

・残業は当たり前

・売れるまで帰れない

・接待が多い

・パーティで人脈づくり

・体力的に辛そう

・ストレスがたまりそう

・口先で売るのは抵抗がある

・嫌いな人にも頭を下げなければならない

・長くやりたくはない仕事

・人づきあいが大変そう

などなど。

以前、私が大学生を集めて意見を聞いた結果がこれだ。

もちろん、彼らは実際の営業とはどういうものかを知らない。

学校でも教わっていない。

では、どうしてこんなイメージになるかというと、
ドラマなどで描かれているのを見てきたからだ。

とかく誇張して表現されがちなので、
どうしても大げさに見えてしまう。

実際にお客さまからお茶をぶっかけられたことがある人が、
どれだけいるだろうか?

土下座して謝ったことがある人がいるか?

(ちなみに私がレストランでバイトしていたときに、
お客さまに灰皿の中身を頭からかけてしまったことがある!)

営業という仕事のマイナス面ばかりが強調されている。
そんなシーンが多いのが影響していると思われる。

そのような先入観を持ちながら就職活動をすると、
どうしても、

「営業だけは避けよう」

「全部ダメだったらあきらめて営業をやるしかない」

こんな気持ちになってしまいがち。

もちろん営業志望の人もいるが、
多くは、マイナスイメージを持っているのが実際のところだろう。

そうは言っても、学部によっては、
ほとんどの生徒が営業関連に就職することもある。

にもかかわらず、営業を教えていないというのはどういうことなのか。

ちなみに私の友人の菊原さん(あとがきにも出てきます)は、
数少ない営業の授業を持っている人物だ。

ただ、それはほんの一部に過ぎない。

なぜほとんどの大学に営業の授業がないのか?

その理由は、営業は教えるものではないと思われているからである。

営業というのは、教科書で教えるのではなく、
入社した会社で教わるもの。

会社によっては営業の仕方が違うので、
それを教わりながら覚えていくのが通常だということだ。

まあ、実際にはそれで通用している。

私もそうだった。

先輩の営業を見せてもらいながら、
覚えたものだ。

いわゆるOJTというのが、営業教育の主体である。

OJTは学校ではできないので、
就職してから現場に任せるということなのだろう。

ただそこには落とし穴もある。

入社した会社の上司のスキルに左右されてしまうからだ。

学ぶべき人物の営業力が、そのまま教科書になる。

優秀な人に当たればラッキーだが、
逆にアンラッキーなケースも出てきてしまう。

私は、ラッキーな側だった。

新人で入った会社の強烈な二人の先輩のおかげで、
今日があるといっても過言ではない。

本当にいまでも感謝している。
(ひとりは若くして他界してしまったが)

でも考えてみると怖いことだ。

学ぶべき教科書がそれぞれ違っているのだから。

それは入社してみるまでわからない。

だからこんな現象が起こってしまう。

社内でエース級に売れていた人が、
他社に転職したとたんに売れなくなってしまうこと。

これはよくあるケースだ。

井の中の蛙のような育成をされてしまうと、
ほかで通用しない営業マンになってしまう。

だからこそ、必要なのは、
どこでも通用する営業力になってくる。

学校で教えない理由はもうひとつある。

営業というのは精神的な部分が大きいと思われている点だ。

「気合い」「根性」「頑張り」など、
気持ち次第で結果が出る仕事だと思われがちである。

そこは、学問として教える部分ではないということだ。

はっきり言って、気持ちだけで売れるのなら、簡単である。

でも、そんな職業が存在するはずがない。

気持ちだけで会社の売上が左右されるなんて、危険すぎるだろう。

やはりきちんとした売り方が存在するのだ。

売れる理論というべきものである。

私なりのその理論を作ってきた。

もちろん、完璧なものではないだろうし、
もっと精度の高いものもできてくるだろう。

ただ、現状の営業環境を見ると、
まずは、この理論を当てはめるだけでも
成果を安定的に出せるようになると確信している。

そんなことを最近とくに考えている。

最初は、売れない営業マンを売れるようにしたいと思っていた。

もちろんそれはいまでも同じだが、
そのためには、
上司や会社自体の営業に対する考え方から変える必要性もある。

そしてさらに、学生の意識も変えていきたいというのが、
最近の私の思考だ。

どこかの大学で講師をやってみたいな~