サイレントセールスブログ

我流!出版企画書の書き方

前回のメルマガがわりと好評だったので、
調子に乗って今回も「我流!」シリーズでお届けしたい。

私は初めて出版企画書を書いたのは、
最初の本を出したいと思ったとき。

当時、メルマガ(このメルマガの前身)を書いていて、
これが本になったらいいなあと漠然と考えていた。

同時期にメルマガを書き始めた人の中には、
出版のオファーをもらう人も出始めた。

私もそろそろ声がかからないかと待っていたのだが、
なかなか来ない。

このまま待ち続けていてもキリがないので、
(なにを焦っていたのだろう?)
こちらからアプローチしようと考えた。

でもどこから手をつけたらいいのかわからない。

まずこう考えた。

実績も何もない私の本など普通は出せるはずがない。

そう、本というのは需要があって初めて出版できる。

買い手がいるかどうかだ。

どんなにすばらしい内容だろうと、
無名の人が書いたものでは本になりにくい。

また、企画書というのは、
出版社の編集者へのプレゼン資料だと思えばいい。

編集者が納得して、この企画をやりたいと思わなければ、
何も始まらないからだ。

これは、出版社にもよるが、
出版が決まっていくプロセスがある。

まず、編集者がやりたい企画を見つける。

これは自分のなかでやりたいものを温めている場合もあれば、
持ち込み企画を見てピンとくる場合もある。

その企画を自分のフォーマットにまとめる。

だいたいA4用紙1~2枚だ。

これは、出版社ごとに独自のフォーマットがある。

それを編集会議にかける。

編集会議は、月に1回とか2回ある。

その日に合わせて新企画をそれぞれの編集者が持ち寄るのだ。

編集会議は出版社によっては、
2~3段階に分かれているところもある。

また、編集会議が通っても、
そのあと営業サイドでチェックするという会社もある。

そして最後に編集長、もしくは役員の承諾を経て企画がGOとなっていく。

その間、1ヶ月~3ヶ月くらいを見ておくといい。

つまり、企画書を出してもすぐに決まるものではないのだ。

そしてどんなに編集者が企画内容を気に入っていたとしても、
その人だけでの意思では決まらない。

他の人も納得させる必要がある。

まあ、あとは編集者当人の力量というのも大きいところだ。

その人がOKを出せばたいていは通るときもある。

逆に何度も打ち合わせをして企画書を書き直しても、
結局は通らないこともよくある。

その出版社内での編集者の立ち位置も大きく影響する。

当然ながら、ヒットを連発するような実績のある人はエースと呼ばれて、
企画が通る確率も高い。

ただそういう人は、持ち込みでいきなり当たることはほぼない。
人気が高いからだ。

知人から紹介してもらうしかコンタクトする手はないだろう。

そして、たとえエース級の編集者に出会えたとしても、
まずその人を納得させられるかがキモだ。

実績のある人なら見る目もシビアになる。

それはそれで簡単ではない。

……とまあ、
かなりハードルを上げてしまったかもしれないが、
これが実際のところだ。

だから27冊書いている私でも企画書が通らないこともよくある。

パソコンの中にはボツになったものや書きかけのものも含めて
30以上の企画書が眠っている。
そんなものだ。

そうは言っても最初は誰でも無名であり実績もない。

そして、出版社は常に新しい著者を探している。

そこにうまくはまると、案外スムーズに話がまとまることもある。

ポイントは、独自性だ。

他の二番煎じとかではなく、オリジナリティがあるかどうかを、
必ず最初にチェックしてくる。

次に、そのオリジナルコンテンツを語れる人かどうかが重要だ。

いわゆる著者プロフィールである。

著者の実績や経験が、企画内容の裏付けになっているか?

この企画を書くべき人物に映るか?

そこにかなり焦点を置く。

ここは、つまり編集者がまわりの人たちを説得するに当たっての、
外せないポイントだからである。

こんな実績を持っている人だからこそ、
この企画が書けるんです!

そう力説したいし、会議に出ている人たちも、
そこで納得したいと思っている。

その意味では、最初に企画した本というのは、
その人の思い入れが強いので、案外受け入れてくれやすいのだ。

イメージしよう。

自分の企画が編集会議の場であれこれ議論されているシーンを。

そして、自分自身のことをどう語られているかについても。

営業のプレゼンもそうだし、
実際に本を書いているときも同じで、
これを見て相手がどう感じるかをイメージすることは、
どんな場面でも大切なことだ。

ちなみに、私が去年マツコの知らない世界に出たときにも、
相手の反応を想定して臨んでいた。

しかし、その反応があまりにも想定外だったので、
私は混乱してしまい、グダグダな対応になってしまった。

もっと想定の幅を広げておけば、
冷静になれたのにと思っている。

チャンスがあればリベンジしたいぜ!

というわけで、企画書を書くときの心構えから入ってみた。

書いて渡してあとは祈るだけでは確率は低い。

自分の企画がどのようなプロセスを経て行くのかを
イメージしておくことで、
より採用の確率を上げるべきである。

少なくとも、ダメでも次につながるようなものにしたい。

次回は実際の書き方について。