サイレントセールスブログ

毎日売ってこいと上司に言われている人へ

上司の命令というのは、
部下にとっては結構重いものだ。

命令されたことは、
何とかして守ろうと思うのが普通の感覚だろう。

言われたことができないのは、
当人だって悔しいし申し訳ない気持ちになっている。

ところが上司の命令のなかには、
どう頑張ってもできないものもある。

それが「売ってこい!」だ。

まあ、上司もその上の人から厳しく言われているのだろうが、
部下の営業に対して、
毎日口癖のように、

「売ってこい!」

というのはいかがなものかと思う。

営業マンだって売りたい気持ちでいっぱいのはずだ。

それこそ毎日売りたいと思っている。

できれば上司に良い報告をしてほめてもらいたい。

でもうまく結果が出ないこともある。

営業の仕事というのは、
当人がいくら頑張ったところで、
相手が「買う」と言わない限りは成果につながらない性質がある。

営業マンの意思だけではどうしようもないのだ。

だから、売れる予定がすでにあるとき以外は、
毎日売ってこいという命令は守きれないのである。

理想を言えば、
上司は部下に対して売上という「成果」を求めるのではなく、
「行動」を求めるべきなのだ。

売上の数字ではなく、
たとえば、1日20件訪問するなどの、
行動をベースにした指示を出すようにする。

行動なら、頑張ればできるものだ。
(常識的に可能な範囲なら)

もちろんその営業マンの行動の先に、
きちんとした売り上げがついてくるというロジックが
あるのが前提ではあるが。

そして、「成果」に関しては、上司が責任を持つ。

営業マンがきちんと行動していても
売れなかったとしたら、それは上司の営業方針が悪いとなる。

しかしながら、そうはなっていない会社がとっても多い。

売り上げを営業マン任せにしてして、
責任をかぶせているような会社。

売れなければ責任は営業マンにあると言って、
減俸したりクビにしたり。

部下の尻をたたいて売らせるのが上司の仕事ではない。

部下にきちんと行動指針を与えて、
その結果、売れるようにするのが仕事である。

というのが理想だが、
思い返せばリクルートだって、
営業マンの売上ベースで目標を設定していた。

ただ、行動にも落とし込んで指導していたので、
営業の自主性を重んじながら管理できていたのだと思う。

まあ、ここで文句を言ってもしょうがない。

部下に対して、毎日売ってこいという上司は、
まだまだたくさんいるようだ。

そんな相手に、正論をぶつけても、
立場の弱い部下としては自分を窮地に追い込んでしまいかねない。

売れもしないで文句ばかり言うな! と。

じゃあどうすればいいのか?

まず、どんなに理不尽な指示だとしても、
上司の言うことは「はい」と素直に聞いておこう。

結果が出せそうかどうかよりも、
まずは、上司に指示に従うのが、
組織における部下としての立場である。

とりあえす、聞いておく。

そのうえで、
上司のやり方では自分に合わないし、
結果も出にくいと判断したら、
客先では、自分が良いと思う方法でやる。

もちろんその時点で、上司の指示とは違うかもしれない。

でも、それが売上につなげるための最善の方法だとしたら、
売上を優先すべきだ。

それが営業としての役割だから。

それに、上司も良かれと思って指示を出している。

そうしたほうが売れるだろうと、
(勘違いしている場合もあるのだが)
信じて指示しているのだ。

つまり、上司と営業マンは同じ目的を持っている。

それが、売上である。

だとしたら、乱暴な言い方だが、
どんな方法でも売れたほうがいいのだ。

もちろん、
非合法なことや非人道的なことをやれということではない。

上司に「攻め」の営業を強いられても、
自分には合わないと思ったら、
別の方法で成果をあげてもいいということである。

で、とにかく結果を出すことを最優先するのだ。

そして、売れるようになれば、
上司は何も言わなくなる。

むしろ、
「どうやって売ってるんだ?」
と聞いてきたりする。

そのときはじめて、
あなたのやり方よりも良い方法がありますよ、
と教えてあげればいい。

実際に売れずに悩んでいる営業マンのほうが、
実態を良く知っているし勉強もしている。

上司は、かつて自分のやり方で成果を出してきた経験があるので、
それ以上の勉強をしようとはあまり考えない。

でも、気づいてはいるのだ。

自分の言っている方法が必ずしも正解ではないということに。

それでも何か指示を出さなければいけないので、
「売ってこい」と言っているに過ぎない。

憎らしい上司の鼻をあかすには、
売れる営業マンになって見返してやればいい。

それが自分のためであり、
会社のためでもあり、
上司との関係を向上させることでもある。

来年に向けて、
そんなモチベーションで臨むのはいかが?