サイレントセールスブログ

無敵の営業マニュアルの作り方(4)

営業マニュアルシリーズのラスト。

作ったマニュアルをどうやって身に付けるか?

目的は、良いマニュアルを作ることではない。

それを実際に活用して、
なおかつ結果を出すことである。

身に付け方・・・

これはもう、基本的にはロープレだ。

実践練習をするのが一番いい。

以前、学生に教えたときの流れを再現してみよう。

1)一般論としての営業の流れを解説する。

まずは、営業とはどんなもので、
どんな流れになっているかを解説。

ふだん私が4ステップセミナーでやっている内容と同じだ。

これによって、営業という仕事の外観をイメージしてもらう。
(まったくの初心者なので)

同時に、営業への恐怖心をやわらげる。
(売り込んではいけない理由を伝える)

2)営業マニュアルを読ませる。

マニュアルも基本的には4ステップで構成されているので、
流れがわかりやすく理解しやすい。

ここで一通りのやることの全体像を見せる。

3)マニュアルを見ながらロープレをする。

マニュアルを見ながらお客さま役(私)とのロープレ。
途中で切らずに最後まで流す。

ロープレの途中で「待った」は無しとする。
真剣に取り組んでもらうのが目的。

言い間違えたり、セリフを忘れたとしても、
そのまま続けさせることで、
一連の流れをイメージしてもらうことを重視する。

4)マニュアルを見ながらロープレ(ビデオ撮影)

一通りのロープレをやってみたら、
同じことをビデオをまわしながら行う。
ここでもまだ、マニュアルを見ながらで良しとする。

ビデオがまわると、やはり緊張度が増す。
まわりで他のメンバーも見ている。

普通の営業場面よりも緊張する状態にすることも
ひとつの目的になっている。
(そのほうが、本番での緊張が薄れる)

5)ビデオを一緒に見ながら振り返る

複数人でやることが多いので、
自分のだけでなくまわりの人のビデオも一緒になって見る。

自分が話をしているシーンを見るのは恥ずかしいもの。
でもそれを見ることで自分を客観視できるようになる。

口で指導するよりも、
現実を見せたほうが圧倒的に効果的であるし、
なによりも、欠点に自分で気づくことができる。

「この笑顔、ちょっとうさん臭いよね」

「このリアクションはすごくいいよ」

「ここは、もっと黙って待ってもいい場面だね」

「なんか一方的にしゃべっちゃっているよね」

などと、コメントを全員に聞かせるようにする。

そのとき、良いところはなぜ良いか、
悪いところはなぜ悪いかを伝える。

それによって、情報を共有できて、全体的に同じようなミスが減る。

6)マニュアルなしでやってみる

マニュアルの内容や当人の習得度にもよるが、
一度、何も見ないでやらせてみる。

そのとき、手元にはマニュアルを置いておいて、
どうしても忘れてしまったときだけ見ていいことにする。
(お守り的に)

ここでも最後までやってもらうことが重要。

最後までやることで、自分がうまくできない箇所がわかり、
覚えるべき部分を限定できる。

あとは、そこを中心に練習すればいい。

途中で止めて頭からやり直しを繰り返すと、
そのあとの部分の練習がどうしても薄くなる。

だから、やるときは最後まで通しでやる。

7)FAQマニュアルを追加する

慣れてきたと思ったら、
お客さん役はイレギュラーな質問をときどき入れてみる。

これまでは基本の流れだけだったが、
そこにFAQの内容を入れることで現実に近いロープレになる。

ちなみにこの時点では、FAQマニュアルは見てもよいことにする。

8)最終的に、何も見ないで一通りできるまで練習する

要所でビデオを撮りながら、
一通りできるようになるまで繰り返す。

ここで、きちんとできる自信が持てないうちは、
客先に行っても無駄になる。

そして自分のビデオを見て当人が納得できたら、
それで終了となる。

これが、当時やっていた練習法だ。

もちろん対象が学生で、
営業も社会人経験もない状況だったから、
多めの反復練習をしていたと言える。

なので営業マンの習得度合いに応じてやればよい。

また、営業マンには個人差もあるので、
3回でできるようになる人もいれば、
5回やってもできない人もいる。

それはしかたがないことだ。

そこでの差はどうでもいいことで、
最終的にそれぞれが同じレベルになればいい。

まわりと同じようにできないことが、
プレッシャーにならないように配慮してあげてほしい。

やれば必ず上達するし、
そのときには思い切りほめる。

できなかったことができるようになったという実感は、
当人を大きく勇気づける。

それが自信につながって、営業先でも余裕が生まれる。

結果として、売れる可能性が高くなるというわけだ。

この練習はひとりでもできる。

スマホの録画機能を使って自撮りすれば簡単だ。

私も新しいコンテンツでの講演の前には、
自分でビデオを見て確認している。

ロープレは、
うまく話せるかどうかをチェックする場ではない。

言葉もマニュアル通りにする必要はなく、
自分の言いやすいように変換してもOKだ。

このマニュアルは、ほとんどが確認作業になっているので、
淡々と、相手の答えに応じて進めて行けばよい。

多少、言葉につっかえても、
きちんと会話になっていればいい。

むしろ、営業っぽさを出さない方が、効果的とも言える。

学生を使ったのは、そういう意味もある。

くれぐれも言っておくが、
セリフを暗記するための練習ではない。

基本の流れを理解して、
自分の言葉で会話ができるようにすることが目的である。

お客さま役の人が聞いていてわかりやすいかどうか。

そこを重視しながらロープレをやってほしい。

ということで、このシリーズはおしまい。