話し方・見せ方も大切だけど・・・

ヒアリングが終わったら、次はプレゼンテーションです。

プレゼンテーションというと、どうしてもイメージしがちなのは、大勢のクライアントの前でさっそうと説明しているシーン。かっこよくデザインされたパワーポイントデータをスクリーンに映しながら、身振り手振りでお客さまを説得……なんてできたらいいですよね。

そう考えると、プレゼンの決め手は、話し方と資料作りをきちんとすればいいと思われがちですが、実際には違います。どんなに上手に話せたとしても、決まらないときは決まりません。完璧に作った資料でも見向きもされないことだってあります。

反面、ペラ一枚の資料で、たどたどしい説明をしても、あっさり決まることもあるのです。

もちろん、説明や資料はわかりやすいに越したことはありませんが、それ以上に意識すべきことがあります。それは、相手の心に響くかどうかです。

どんなに画期的な商品でも、そもそも興味のない人に説明しても聞いてはもらえないでしょう。それでも興味を持たせて振り向かせればいいじゃないかという人もいますが、それはプレゼンの作業ではありません。

そもそもプレゼンテーションというのは、売り込む場面ではなく、商品の特徴をわかりやすく説明して、相手に判断材料を与えるものです。ここで売りに走りすぎるとかえって失敗します。

目の前の人専用の話になっているか

プレゼンテーションのコツは、話し方や見せ方よりもその内容です。

ズバリ、目の前の人に向けてピッタリの内容になっているか。他の会社でも通用するような汎用的な内容ではなく、相手オリジナルになっているかどうかが決め手になります。

社名(氏名)だけを入れ替えた使い回しの資料では、お客さまに見透かされてしまうでしょう。そしてこのプレゼンテーションは事前のヒアリングの質によって左右されます。

目の前の人にピッタリの内容にするためには、目の前の人を正確に知らなければなりません。何を重視しているのか、何か好みで何が苦手なのか。ヒアリングというのは、単に質問すればいいというものではありません。次のプレゼンに必要な情報をきちんと集めることがキモなのです。

十分にヒアリングができていれば、プレゼンテーションが成功する確率はグンと上がります。その意味でも、プレゼンがうまくいかなかったとしたら、その原因はヒアリング不足だと思っていいでしょう。

プレゼンテーションがうまくいくコツは、相手のことを良く知ることです。そのためには事前のヒアリングが重要になり、さらに言うとヒアリングを成功させるためには、その前のアイスブレイクが大事ということです。

営業は、個々のプロセスが密接に関わり合っているのです。

営業の心得① そもそも営業ってどんな仕事なの?
営業の心得② 新規営業のコツ
営業の心得③ アイスブレイクのコツ
営業の心得④ ヒアリングのコツ
営業の心得⑤ プレゼンテーションのコツ
営業の心得⑥ クロージングのコツ
営業の心得⑦ クレーム処理のコツ
営業の心得⑧ 営業力を身に付けるコツ