営業の心得③ アイスブレイクのコツ

お客さまは警戒心のかたまり

お客さまと会ってすぐに仕事の話をしても聞いてくれない。これは営業をする上では常識ですよね。まあ例外もありますが、とくに初対面の場合には、まず気軽な会話から入ることで、その後の話をしやすくなるようにします。

せっかくアポが取れて会いに行っても、最初の会話がうまくいかなくて失敗してしまってはもったいない。そのために必要なのがアイスブレイクです。うまくアイスブレイクができたときほど、その後の商談もうまく運んだという経験は多くの人が持っていることでしょう。

アイスブレイクはいわゆる雑談ですが、営業の中にも自然にできてしまう人とそうでない人がいます。雑談というのは自然のなかでの会話なので、取り立てて勉強するとかセリフを覚えるとかでは通用しません。ともするとうまい下手は天性のものだと思われているふしもあります。

でも大丈夫です。どんなに口下手で会話が苦手だという人でも、効果的な雑談をする方法はあります。

大切なことは、雑談の目的をきちんと理解することです。実は勘違いをしている人が案外多い。営業のアイスブレイクとは、場を盛り上げたり、相手を笑わせたり、そのためには話術を磨いたりすることではありません。

では、雑談は何を目的に行うものなのでしょうか。

 

相手の警戒心を解くことが第一優先

そもそも警戒している相手には、何を話してもムダになります。どんなに上手に説明ができたところで聞く気が無い相手には通用しません。つまり相手の警戒心を解くことこそが、最初の大きな課題です。

アイスブレイクの目的はその一点です。

ではそのためにはどのような雑談をすればいいのでしょうか。警戒している相手に対して、こちらからベラベラしゃべりまくっても意味がありません。それどころか逆効果になることもあります。

営業における雑談で効果を出すコツは、相手にしゃべってもらうことです。とてもシンプルなことですが、このことを意識している人は案外少ないようです。

どうしても自分が何か面白いことをしゃべらなければいけないと、感じているケースが多く、とくに口下手な人ほど雑談に苦手意識を持っています。

しかし、自分がしゃべるのではなく相手にしゃべってもらえばいいのだと考えると、案外気楽にできるもの。あとは、どうすればしゃべってもらえるかを意識すればいいのです。

それには、相手が答えてくれやすい質問をすることがポイントです。営業が質問をしてお客さまが答える。その繰り返しこそが、理想の雑談になります。

あとは、どんな質問をすればより話してくれるのかを意識するだけ。目についたことや気になる点などを素朴に質問してみると、相手はしゃべってくれるでしょう。

アイスブレイクの目的は、相手の警戒心を解くこと。そしてそのためには相手にしゃべってもらえばいいと覚えておいてください。

 

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