最近つくづく思うのは、
営業って質問がとても重要なんだなあということ。
営業マンがお客さまに発する言葉は、
ほぼ質問と言ってもいいくらいだ。
私も質問に関する本をいくつか書いている。
で、これまでは、質問するときに重要なのは、
何を聞くかだと思っていた。
つまり言葉である。
効果的な言葉をきちんと使えれば、
それでいいと考えていたのだ。
でもそれだけでは限界がある。
もちろん、質問の言葉を変えるだけでも効果は出る。
しかし、同じセリフを別の人が言うときに、
その効果にバラつきが出るのだ。
これは、私が良く言っている、
「トップ営業マンのセリフをそのまま使っても同じ結果は出ない」
というのと同じだ。
ただ、質問の場合は、
相手が答えてくれやすいという性質がある。
どんなに警戒している人でも、
質問すると何かしら答えてくれるのが人間の特性だからだ。
そこに甘えていたのかもしれない。
何でもそうだが、
型通りにやればある程度の成果は出せる。
それがマニュアルであり、ノウハウや法則だったりする。
でも、ある程度止まりとも言えるのだ。
65点まではとれるけど、95点はいかない。
そんな状態である。
その上に突き抜けることがどうしてもできない。
トップクラスに入れないのだ。
もちろんそれでOKとするならいいだろう。
でももし突き抜けたいと思うのなら、
質問にあるものをプラスする必要がある。
それが「自然」である。
なんかフワッとした言い方になってしまうが、
それしか言いようがない。
自然に質問をすることこそが、究極の質問と言えるのだ。
ここで言う自然には2つの意味がある。
ひとつ目は、「自分自身が自然体である」ということ。
ガチガチに緊張していては正確な情報は聞き出せない。
何か企んでいるような質問をしても、相手は警戒する。
マニュアル通りに質問しても、自分の言葉にならない。
まずは、自分がリラックスしている状態を作ることが大事だ。
この部分は質問に限らず営業活動全体にも言えることである。
営業の基本は自然体で行うこと!
ふたつ目は、「自然の流れで質問する」ということだ。
これを意識してできるようになるとトップクラスに入れる。
質問はぶつ切りで相手にぶつけるものではない。
それぞれがリンクすることで効果を発揮する。
「こちらの商品をご存知ですか?」
「知ってるよ」
「そうですか、使ったことはありますか?」
「前に使ったことがあるよ」
「ありがとうございます。それは今でもお使いですか?」
「いや今は使ってない」
「えっ、前に使っていて今は使っていないんですか! どうしてですか?」
このように質問することで、
この商品に対する相手の思いが見えてくる。
一度使ったことがあるのなら、
最初は気に入っていたのだろう。
でもそのあと使わなくなったのには、
何かしら理由があるはずだ。
それを聞ければ提案の余地が見えてくる。
こんな思考である。
この会話でのポイントは、最後の部分。
「えっ」である。
驚いている表情もすべきだろう。
前に使っていたのに今は使っていない?
そのことに素直に(自然に)驚いていて、
その驚きを「どうして?」と聞いている。
それは自然な感情の流れなので、
質問にも必然性が出てくる。
そのように自然に聞かれると、
相手も自然に答えるようになる。
「いやモノはいいんだけど、単純に色が気に入らなくてね」
「そうだったんですね。
ちなみに今ではカラーバリエーションが増えてこんな感じです」
(カタログを見せながら)
「あ、こんな色も出たんだ。これなら使いたいな」
相手の本音の部分を聞き出すことによって、
自然な流れて提案ができるようになる。
私がよく「過去から聞け」というのも、
この自然の流れを作りやすいという理由からだ。
あなたのヒアリングは、
お客さまにとって唐突になっていないだろうか?
自然な流れにするためには、どんな質問が必要か?
自身の営業を見なおしてみてほしい。