サイレントセールスブログ

定価で売るのは当たり前(3)

お客さまがどこにメリットを感じるのかを
ヒアリングすること。

そして「裏ニーズ」を引き出すこと。

そんな裏ニーズの話をする。

この言葉は、私の造語で、
商品サービスにはすべて「表ニーズ」と「裏ニーズ」がある。

表ニーズとは単純に商品サービスそのものを指す。

7人乗りのワンボックスカーが欲しいということなら、
そのものズバリが表ニーズだ。

そして、そのクルマがなぜ欲しいのか?

その理由が裏ニーズになる。

たとえば、家族とキャンプに行きたい、などである。

ポイントは、
ひとつの表ニーズに対して無限の裏ニーズがあるということ。

表ニーズ:7人乗りのワンボックスカー

裏ニーズ:・家族とキャンプに行きたい
・お客さまを送迎するため
・家族が増えたため
・広いクルマでゆったりしたい
・趣味の釣り道具を載せたい
・仕事で機材を運ぶため
など

つまり極端な話、お客さまの数だけ裏ニーズがあると考えればいい。

よくありがちなのは、
ヒアリングが表ニーズで終わっているケース。

それだけでは、商品サービスそのものの説明しかできない。

もちろん商品の良さをアピールすればそれだけで売れることもあるが、
実際には売れないことのほうが多い。

なぜかというと、似たような商品が他にもたくさんあるからだ。

同業他社との競合になり、
最後は安い値段のところに行ってしまう。

機能や金額というのは単なるスペックだ。

その情報だけならネットで済む話である。営業マンはいらない。

なぜ営業マンが必要かというと、
裏ニーズに合わせた提案ができるからである。

お客さまが知りたいのは、商品スペックではない。

そんなものはスマホを見ればすぐにわかる。

それよりも、本当に自分に合った商品かどうかが知りたい。

たとえば先ほどのクルマの話でいうと、

「どんなクルマをお探しですか?」

「7人乗りのワンボックスカーを見たいんだけど」

「そうですか、ちなみにどうしてそれを見たいんですか?」

「子供の野球チームの送迎で、友達も連れて行くことが増えたんで」

「なるほど、それなら広いほうがいいですね」

「うん」

「野球ですと、道具や荷物も多いのでは?」

「そうなんだ。それも積める広さがあるといいんだけど」

「わかりました。ではご案内しますね」

こんな感じで誘導されたら、お客側としても聞く気になるだろう。

これが裏ニーズを引き出すということである。

そしてその商品が
自分の求めているものに合っていると実感できれば購入意欲が高くなる。

本当に自分に必要な商品だと思ったら、
値札も見ずに買ってしまうものだ。

(まあクルマの場合は例外で値引きが当たり前の世界なのだが)

そんな状態に持っていくことが営業マンの仕事である。

そのためにも、

目の前のお客さまは何を理由にこの商品を求めに来たのか?

それをヒアリングで聞き出す必要がある。

私的な結論は、

定価で売る、つまり値引き交渉されないためには、
裏ニーズを引き出すこと。

すべての商品サービスには裏ニーズがある。

それをヒアリングしてお客さまと共有することが、
相手が定価で買っても満足してくれる秘訣である。

その満足度は、多少の値引きするよりもはるかに高い!

値引きを要求されたときの切り返し話法を憶えるよりも、
どうすれば値引きの話題にならないかを考えること。

そして「裏ニーズ」をひも解くこと。

ぜひやってみてほしい。