サイレントセールスブログ

あなただけよ感の与え方

先日、セミナービデオを販売したのだが、
そのおかげで副産物が出た。

それは、質問が増えたことだ。

ビデオを購入した人から、
感想とともに質問が来るようになった。

もしかしたら、
私の本やメルマガを見ていて、
質問したいなあと思っていても、
なかなかできなかったが、
ビデオの購入をきっかけにして、
質問しやすくなったのかなと思っている。

それはとてもありがたいことだ。

私としても、
いま本当に困っていることや悩んでいることが、
リアルにわかるので、
とても参考になる。

もちろん、答えられる限り回答している。

普段から、
「気軽に質問してください」などとは言っているが、
実際にはそんなに来ることはない。

遠慮しているからだろうし、
こんなことを聞いてもいいのかなと躊躇していたりするからだ。

内向型の人ならなおさらである。

ビデオの販売をきっかけに、
より多くの人たちと
さらに深い関係になれたこと。

それが今回の大きな収穫だった。

さて、そんな質問の中にこんなものがあった。
Tさんからのメールだ。
(ちょっと題材としてアレンジして使わせていただきます)

弊社の商品と競合会社の商品の比較を相手に聞いたところ、
「公平性ためお答えできません」と言われました。
この場合、渡瀬様でしたら、それ以上お聞きしませんか?
それとも上手い聞き方があったら、もう少し粘ってお聞きしますか?

これに対して、あなたならどう答える?

私の答えは後にまわすとして、
このように具体的に質問してくる場合、
そのケースで困ってしまった経験があるのだろう。

ただ、その対応の仕方を知ったとして、
再び同じようなケースが起こる確率は極めて低いとも考えられる。

また、別の困ったケースが発生したら、
それに対処する方法を探すのだろうとも想像できる。

じつはこのような質問はとても多いのだ。

セミナー後の質問タイムでもよくある。

現実に悩んでいることを解決したいと思って質問するのは、
悪くはない。

しかし、その解決法は、
そのケースだけのピンポイントでしか役に立たないので、
トータル的に営業効果が上がるとは言えないだろう。

そして、そのように解決していくのは、キリがない。

いつまで経っても自信がないままの状態になっている。

もっと根っこの部分から解決していかないと、
そのような不安は根絶できない。

先ほどの質問を要約すると、
「こう言われたらどう返すべきか?」
というものだ。

じつはこの答えを望んでいる人はとても多い。

いわゆる応酬話法や切り返しトークというヤツだ。

でもそのセリフを憶えたところで、
ほとんど役に立たない。

なぜかというと、
営業は人間を相手にする仕事だからだ。

機械やコンピューター相手なら、
決まったボタンを押せば決まった動作をしてくれる。

しかし、人間はそれぞれ違う。

決まったセリフを言っても、
相手によって反応はまちまちになる。

場合によっては真逆の反応をすることもある。

セリフを準備していくと、
想定外のことが起こったときに、
(たいていが想定外になるのだが)
対応しきれなくなって行き詰ってしまう。

つまり100人いたら100通りの反応が返ってくる。

それが営業だ。

さて、先ほどの質問への私の答えはこんな感じである。

ここから↓

これだけでは、私はどちらとも答えられません。
状況がわかりませんので。

その相手のセリフが、本音なのかどうかです。
単に答えたくないだけなのかもしれませんし。

ただ、聞き方が相手のための質問になっていれば、
もっと粘ることができます。

「御社に最適な提案をしたいので、
この資料を見せてください」

「御社のためにお役に立てるかもしれませんので、
この情報をください」

こういう聞き方になっていれば、
相手の返事も変わってきます。

逆にこの質問は相手のためなのか、
それとも自分が売りやすくなるためなのか?
そう自問してもいいかもしれませんね。

目の前の人に売ろうとしているのか、
目の前の人の役に立ちたいと思っているのか?

後者のスタンスでやってくる営業マンには、
お客さまは心を開いてくれます。

逆に前者のままですと、
どんなにトークを差し替えても意味はありません。

営業の仕事はじつはシンプルです。

まず、自分が役に立てることがあるかどうかを確認する。

役に立てることがないなら、素直に帰る。

役に立てることがあって、それがビジネスとして成立するなら、
堂々とアピールする。

それだけです。

むずかしく感じる部分かもしれませんが、
そこがクリアになると営業はもっと楽にできると思いますよ。

ここまで↑

相手のことを良く知らないのに、
決められたトークだけで説得しようとしても、
それはムダだ。

いかに相手のことを知るか。

目の前の人に集中して対応できるか。

そのうえで、目の前のお客さま専用の柔軟な対応ができるか。

お客さまは、
「この営業マンは誰にでも同じこと言っているな」と感じたら、
心を閉ざすもの。

反対に、
「この営業マンは私にピッタリの話をしているな」と感じたお客さまは、
心を開いてくれる。

営業は、それを目指せばいいのだ。

その域に達すると、
どんな相手にも落ち着いて対応できるようになる。

そして、相手からの信頼を得ることができて、
間違いなく営業成績は伸びる。

それが、今回のテーマである、「あなただけよ感」なのである。

ちょっと長くなりそうなので、続きは次回に!