サイレントセールスブログ

この電話って詐欺なの?

先日、電話がかかってきた。

社名と名前を名乗ってからこのように言ってきた。

「御社のホームページを見て電話をしている。

多くの講演実績のあるかたに連絡している。

(実際の社名を並べながら)大手企業に勤める方で、

その会社の福利厚生費を利用した顧客を紹介したい」

こんな内容だ。

大手の会社は福利厚生費として予算がストックされている。

その予算を使って講演をしないかとのことだ。

実際に会社によっては、自由にセミナーや研修を受けてよいし、
その費用は会社が持つというところもある。

私のセミナーにもそういう人が来るので、
そのしくみはよくわかる。

なので、しばらく話を聞いていた。

さらには、その紹介した会社とは直接取引して構わないとも言う。

これは意外だった。

てっきり、紹介料を企業と私から取って儲ける仕組みだと思ったからだ。

そこまで聞いた話としては悪くないと思った。

しかし・・・・・・

それについて一度詳しくお話ししたいので会いたいと言ってきたのだ。

その瞬間、私の頭の中には「?」が浮かんだ。

直接会いたいと言ってくるケースは、
ずばり「営業」だと感じるからだ。

客である私にとってメリットのある提案ではある。

でもその見返りが何かあると直感した。

直接会って営業することで、
不信に思っている相手を納得させるつもりだ。

つまりは、何かしら不信がられることがあるということだ。

そこで私はこう尋ねた。

「おたくの会社のビジネスモデルはどうなっているの?」

つまりどうやって稼いでいる会社なのかをダイレクトに聞いてみた。

すると、やはり!

「紹介するかわりに、会費をもらっている」

と言ってきた。

詳しく聞くと、

毎月〇万円くらいの会費が発生する。

でもその金額は何度か講演をすればすぐにペイできるものだ。

しかも2年間で会費の支払いは終わる。

だからみんな儲かっている。

そんなことを言ってきた。

仕事を紹介するかわりに、先にお金を出せということだ。

その時点で私はきっぱりと断った。

ずるいやりかただと思った。

人の弱みに付け込むビジネスと感じた。

普通の講演あっせん会社なら、
紹介料を企業から受け取る。

事前に講師から取ることはない。

これ、おそらくだが、

講演やセミナーの仕事をはじめて間もない人などは、
仕事欲しさに契約してしまうかもしれない。

もちろん、それで実際に仕事につながっているケースもあるのだろう。

ただ、紹介にもいろいろある。

単に、担当者を紹介されて、
あとは独力で営業しなければならないこともある。

単にコンペに参加させられることも考えられる。

紹介されても全然仕事が決まらないと文句を言っても、
それはあなたの営業力が足りないからだなどと
突っぱねられる気もする。

そこを乗り切る力があれば、
このビジネスに乗るメリットはあるかもしれないが、
私としては不信感しかなかった。

もしこのような電話があなたのところにあったのなら、
よく考えて判断することをおすすめする。

ちなみに私の判断基準は、
先々儲かるから先に金を出せというビジネスには乗らないということだ。

私が創業して間もない頃。

ある興信所から電話が来た。

お宅のことを調べている会社から依頼を受けた。

会って話がしたいというものだ。

無知だった私は会うことにした。

すると、社名は言えないが、
お宅との契約に関して調査を依頼された。

その会社はどこか想像つくでしょう?

そこに良い返事をしたいと思っている。

なので、うちと契約してほしい。

そんな内容だ。

当時は、仕事を始めてすぐの頃で、
当然ながらクライアントとの付き合いもまだ浅い。

その数少ないお客さんから調査されていると想像すると、
無下にはできなかった。

悪い報告をされて仕事が切れてしまうのを恐れたのだ。

そして私はその場で10数万円のお金を払ってしまった。

まだ、インターネットなども普及していない時代で、
その業者のことを調べる術もなかった。

完全な詐欺商法に引っかかった。

いまとなっては勉強代だと言えるが、
やはりだまされるのは悔しいものだ。

もうひとつ。

先日、フェイスブックで友達申請があったので、
承認したところこのようなメッセージが来た。

「承認ありがとうございます。
今後、いろいろとやりとりできたらうれしいです。
ただ、いまメッセンジャーの調子が悪いので、
できればラインのアドレスを教えてもらえませんか。
よろしくお願いします」

こんな感じの内容だった。

もちろん教えない。

そして即削除もしなかった。

とにかくリアクションしないで無視した。

その後は、何もない。

とにかく今の時代は、
隙間を見つけては侵入してくる。

金を出せと言ってくる。

営業のゆがんだカタチに見えてくる。

それを悪びれずにやっているのを見ると悲しくなる。

まっとうに営業をして、
お客さまから喜ばれること。

それが本来の仕事の在り方だ。

堂々と自分の仕事に自信を持って営業できる人を
増やしていきたい。

それがいまの私の仕事だ。