サイレントセールスブログ

アポ取り電話は第一声で決まる(3)

前回のつづきから。

「ちょっとお伺いしますが」

のあとに何を言えばいいのか?

自分でも少し考えてみただろうか?

ちなみに、アポ取りの作業というのは、
営業のなかでどのような位置づけになっているのかを
正確に理解している人は少ないようだ。

アポ取りは営業ではない。

売り込む場でもない。

アポ取りとは「探す」作業である。

自分の商品やサービスに興味がある人や、
役立てそうな人を探すのがアポ取りの目的である。

ところがわりと多くの人が、
営業の一環と位置付けていて、
営業らしく振舞おうとしているのを見かける。

探す作業ということは、すなわちリサーチである。

アポ取りをするときには、営業マンではなくて
リサーチャーに変わる必要があるのだ。

というわけで、リサーチの基本動作は、
質問することになる。

「ちょっとお伺いしますが」

というセリフは、これからあなたに質問しますよという
合図になっている。

人は質問されると答えようとする習性がある。

これは心理学的にも言われているもので、
人とのコミュニケーションの一環である。

ためしに質問されたときに無視しようとすると、
とても気持ちが悪い状態になる。

モヤモヤするのだ。

だからたいていの場合は、
人からの質問に答えようとする。

刑事の質問に容疑者が黙秘するというシーンがあるが、
あれも心理的に追い詰めるために行っているらしい。

相手が答えなくてもどんどん質問を投げかけて、
圧力をかけて行く作戦だ。

アポ取りの電話でも、
第一声で「ちょっとお伺いしますが」を入れると、
相手は、聞く態勢を自然に作ってくれる。

つまりこちらの言葉に耳を傾けてくれるのだ。

最初から警戒されてしまっては、
どんなセリフも聞いてはくれない。

そこでまず、

「私は怪しいものではありませんし、
無理なことも言いません。

ただ、少し伺いたいことがあるので、
ちょっと聞いてください」

と投げかけるのだ。

こんな感じである。

「〇〇会社の〇〇と申します。

ちょっとお伺いしますが・・・・」

このように始める。

そのあとに、

「いま〇〇業の会社だけに伺っているんですけども、
〇〇を使ったことがありますか?」

このように商品サービスの利用状況を確認する。

すると、相手の答えは主に3つに分かれる。

1)使ったことがある

2)使ったことがない

3)よくわからない

そのそれぞれの答えに対して、
こちらからの準備しておいた質問をしていく。

その結果、

使ったことがないけども興味があるという相手を探すのだ。

それがアポ取りの作業である。

誰彼となく一方的に説明して、
強引に会う約束を取り付けるものではない。

そもそも相手にとって、
何かしらのメリットがなければ、
相手も話を聞こうとはしないはず。

以前、オール電化商品の飛び込み営業のトークを教えたことがある。

オール電化とは、ガスを電気でまかなって、
光熱費をトータル的に安くしようとするものだ。
(もちろんそれ以外のメリットもあるが)

そのときのセリフはこんな感じ。

「(パンフレットを見せながら)
いまこのような商品について各家庭をまわっています。

売り込みではないのですが、

これを使うと光熱費が安くなることもありますが、
逆に高くなってしまうこともあります。

そこで試算をして光熱費がどうなるかを、
確認してまわっているところです。

お宅でも確認だけしてみませんか?」

こんな感じだ。

論法としては、

・この商品を入れて得する可能性がある

・それを確認してみませんか?

というもの。

そしてこの聞き方は言外として、

・もし確認して得にならなければ売り込んだりしませんよ

とも伝わっている。

お客さまがもっとも避けようとするのは、
なまじ話を聞いてしまって、
しつこく売り込まれることだ。

断ることにエネルギーを使いたくない。

だから話を聞く前に断ってしまう。

そこで、必要じゃなければ断ってもいいですよと、
伝えておくことで安心してもらえるのだ。

断りやすいことをあらかじめ伝えておくことで、
お客さまは、話を真剣に吟味してくれる。

これがアポ取りの基本型である。

そして、そのときの口調も重要である。

営業マンだからといって営業っぽく話してはダメ。

逆に営業らしくない話し方をすべきだ。

その口調については次回お話しする。