サイレントセールスブログ

取扱い商品を増やそう

お客さまのところへ行って、

自分の扱っている商品を見せて、

「これ必要ありませんか?」

とたずねて、

「必要ない」

と言われて「そうですか」と帰ってくる。

ごく普通の光景だ。

商品が売れる見込みがないのなら、
そのお客さまとの縁もそれっきりになる。

そうして、また別のところへ行って

同じように商品を見せながら同じ質問をする。

営業としては当たり前の行動に見える。

これが少し上級になってくると、

自分の商品のニーズを喚起させようとする。

こんな課題はありませんか?

その課題に対してうちの商品はピッタリですよ~

という感じだ。

お客さまが自覚していないニーズを掘り起こす。

それが相手も納得して喜んでもらえるならいいだろう。

でもときどき強引に掘り起こそうとしてしまい、
ありがた迷惑になっていることもよくある。

で、今回はさらに上をいくための方法だ。

営業マンは自分の会社の商品を売るのが仕事である。

商品を売ることで利益を出している。

まあ当たり前のことだ。

裏を返すと、自分の商品しか売れないとも思っている。

「えっ? それも当たり前でしょ?」

そんな声が聞こえてきそうだ。

ところがダントツに売れている営業マンは違うのだ。

自分の商品以外も売っている。

「?」

これは別に副業の話ではない。

例えば、客先で雑談しているときに
こんな話になったとする。

「いまパソコンの調子が悪くてさあ、どこかいい業者さん知ってる?」

「それなら知り合いでいい人いますよ。紹介しますね!」

この営業マンはパソコン業者ではなくて保険の営業だ。

自分の扱う商品ではないが、

お客さまの困り事を解決するために知り合いを紹介している。

その知り合いのパソコン業者も自身のお客である。

つまりお客さまの課題に対して、
自分の商品だけでなく、
自分の顧客の商品も使って解決しているのだ。

結果として自分の商品は売れないので、
直接の売上にはならない。

しかし、目の前のお客さまと紹介したお客さまには、
とても喜ばれる。

信頼という見えない価値を売ることができている。

すると、それらのお客さまに保険のニーズが発生したときに、
その営業マンに声がかかる可能性が高いことは容易に想像できる。

この営業マンは、
お客さまの扱っている商品について詳しく聞いている。

そしてまるで自分の売り物のように、
その情報をストックしている。

お客さまと話をするときも、
保険の話題に執着するのではなく、
もっと広い視野で何か困り事はないかを探っている。

そしてそれを解決することに一役買う。

自分のお客さま同士を結びつけることで、
役に立とうと心がけている。

商品を増やすというのはそういう意味だ。

そのほうがお客さまとの接点が広がる。

自分の商品が売れなくても、はいさよならにはならなくなる。

どうだろう。

自分のお客さまの商品もひっくるめて売り物と考えると、
いろんな切り口が見えてくるはずだ。

営業としての幅も広がることは間違いない。