サッカーが好きなので、
今回の代表監督の解任にはとても関心がある。
理由や原因はいろいろあるだろうし、
本質の部分で語られていないことも多いだろう。
それについて、ここで良し悪しを言うつもりはない。
だた、最近の代表の試合は、
観ていて単純につまらなかった。
もちろん点が入って勝てばそこそこ面白く感じるだろうが、
それ以前に、内容そのものに魅力がないと思えていた。
結果がすべてという人もいるだろう。
でも、だったら試合なんて見ないで、
終了後にスコアボードを確認するだけでいいのか?
どんなプロセスを踏もうとも、
とにかく結果だけ出していればいいのだろうか。
それは違うと思う。
プロスポーツはサービス業だ。
プレイをみせることで、価値を提供して成り立っている。
その価値のひとつは試合内容だ。
まったく攻撃のカタチもできていないで、
0点だったのと、
惜しいシュートが何本もあっての0点では、
結果は同じだがプロセスが違う。
プロセスが違えば、次への期待もできるし、
課題も見えて修正もできる。
今回の解任劇は、そのプロセスが見えなくて、
協会側に不安を与えてしまったのが原因ではないかと思う。
サッカーに詳しくない人には申し訳ない。
なにが言いたいかというと、
これって営業も同じだなと思ったのだ。
結果ばかりを求められる営業マン。
上司から指示されたやりかたでは、
もはや通用しないと思いながらも、
言われた通りにやって売れずにでもがいている。
自分は場を盛り上げて相手と仲良くできるタイプではないのに、
それを強要されて困惑している。
どんな形であれ、
まぐれでもいいから売れたらOKの風潮。
営業マンのなかには、
惜しいところまで何度もいきながら、
結果的に売れていない人もいるだろう。
その人と、まったく売れる気配もないまま、
売上ゼロの人とは、やはり評価を変えるべきなのだ。
結果だけを見て、
売上ゼロの人を一律に「ダメ営業マン」と評価していては、
誰も得をしないことになる。
本当にやる気があってできる人でも、
結果ばかりの評価では、途中で辞めたくなるだろう。
惜しいところまで行っている人は、
小さな改善をするだけですぐに結果が出たりする。
そこを見つけて助言をするのが上司の役割だ。
売上の結果だけをもとに叱咤激励することでは、決してない。
売れないときに、
その原因を一緒に見つけて解決していくのは当然だが、
売れたときに、
なぜ売れたのかを検証するのも重要である。
たまたま売れるということはない。
ラッキーとか、タイミングが良かったからというのも、
売れる理由にはならない。
それはごく一部の要素というだけで、
そのほかの大部分のなかに、
売れる理由が存在している。
サッカーでもゴールシーンを振り返るコメントで、
「ラッキーでした」という人がいるが、
そんなことはないのだ。
そこまでの味方のパスワークや、
相手との駆け引き、
黒子に徹したつぶれ役の存在など、
ゴールへのプロセスがあってこその結果である。
営業もそうだが、
ラッキーばかりを当てにしたスタイルでは、
たまたま偶然に結果が出ているかもしれないが、
それでは戦略は立てられない。
企業の大切な売上計画が、
営業マンのラッキー待ちに頼っていては、
不安定で心もとないことになる。
ある一定の戦力を持った人なら、
だれでも結果が出せるような、
そんな戦術を持たなければ、
安定した売り上げなど望めない。
一部のスーパープレーヤーに頼り切るスタイルは、
危険そのものだ。
その人が他へ移籍してしまったら、
たちまちピンチになってしまう。
まず企業自体に確固たる営業方針が存在して、
(今回のサッカー日本代表にはそれが見えてこなかった)
それを実現するための戦略があり、
(戦略はあったようだが、機能するとは思えなかった)
その戦略を使えるスキルを持つ営業マンが存在すること。
(求められる高いスキルはそう簡単には身に付かない)
そして何よりも、
戦略への理解や意思統一ができていること。
(今回はここが最も欠けていた部分ではないだろうか)
サッカーも営業も、
上司が掲げた方針を信じられなければ、
結果はおろかプロセスも破たんする。
そのまま続けても意味がないことになる。
どんなに結果が出ていなくても、
プロセスが間違っていなければ、
改善点は見えてくる。
そして希望も持てる。
結果だけに執着していると、
その希望ですら失われてしまう。
営業は結果がすべて、ではない!
マグレではなく、
必然とした結果を出すことが最も重要なことである。
そうではなくては未来はない。
なんか、そんなことを思わせてくれた、
今回のサッカー代表監督の解任劇だった。
私としては結果はどうあれ、
選手たちが伸び伸びと
自信を持ってプレイしている姿を観たい!